「一生一作師・棟方志功の教え」

（長谷川富三郎版画家）

“初出展で国展に入選して、私はうれしくて、棟方志功さんのお宅にご挨拶にうかがうと、棟方さんは「何で黙って出品したのか」と注意されましてね、驚きました。…..ある日、こんなことを言われました。「これを出したら後がないといつも思うんだがなあ。それを出さんと後がないんだ」と。「その時その時の最高のものを惜しみなく出すという気で仕事をせんとね」と話されました。その時の棟方さんの熱のこもった声を忘れることはできませんね。とにかく、全身全霊で板画に打ち込まれるお姿に私は打たれました。…それから棟方さんは、「一生に一作をなすのだ」という話をされたことがあります。棟方さんはよくもこれほどたくさんの作品を生み出されたものだといつも感服しているのですが、その棟方さんが「一生に一作をなす」と言うんですからね。どういうことかと、確かめると、「一生一作。それは棟方板画という一作だ」ということでした。…私自身は、「今日本番」ーいつか私なりに自分に言い聞かせるようになりました。“

今この一瞬を真剣に生き切る。今やっている仕事に「これが最後かもしれない」という思いで真剣に取り組むことが大切だということですね。

日々初心に返り、その一瞬一瞬を全力で生き切る。そうやって毎日に仕事に取り組んでいくことで、毎日が充実し、未来が豊かになっていくのです。

今日の今この瞬間も自分という一生の大作の一部分ですから、手を抜いてしまったら自分の人生という大作がより良くなりません。

どれだけ今日の仕事、今、目の前の仕事に真剣に取り組むかで人生が決まるのです。

自分が生きていることも、家族がいることも、仕事があることも・・・全ては当たり前のことなんかではありません。

たくさんのご縁、たくさんの方々の尽力があって、たくさんの人が真剣に仕事してくれていたから今の当たり前があるのです。

目の前の当たり前のことに感謝して、当たり前だと思わず真剣に取り組むことが誠実に仕事をするということなのだと思います。

誠実な仕事で安全安心を提供し、たくさんの人に喜ばれたいですね。

今日もよりみんなの役に立てるよう、全力で感じて動いていきましょう。

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