「10・10・10の法則」

（藤田寛帝国ホテル顧問）

“帝国ホテルのサービスの教訓としている算式がありましてね。それが「１００−１＝０」というものです。…どこか一つでもミスがあれば、他でどんなに素晴らしいサービスをしてもすべて台無しになってしまいます。ですからたった一つのことでも気を抜いてはいけない。一つマイナスがあれば答えは９９ではない、０だというのが「１００−１＝０」なんです。同じことを「１０・１０・１０（テン・テン・テン）の法則」というふうにも言っています。信用、すなわちブランドを構築するには10年かかる。しかし、そのブランドを失うのはたった10秒なのです。そして、失った信用、ブランドを盛り返すにはまた10年かかるということです。長い時間をかけてつくり上げたブランドも、たった10秒で崩れます。ですから、一瞬一瞬のお客様の出会いを本当に大事にしなければならないのです。“

信用を積み重ね、ブランドを築くのはものすごく時間がかかるが、信用を失うのはあっという間ということです。

一つの間違いで、それまでの関係がどれだけ良好であったとしても、一気に崩れてしまいますから、ひとつひとつを大切にすることが重要だということですね。

会社はみんなでひとつの仕事を提供しているのですから、その認識を全員で合わせていくことが必要になります。

人間が仕事をする以上、ミスや間違いがないということはありません。しかし、ミスや間違いにならないようにすることはできます。

ミスをしないように、間違いをしないように、日々どのような準備をするかがプロが存在する価値なのです。

日々出会う人たちとの時間を大切に、その人のために何ができるか、その人が喜んでくれるために何ができるか。

日々、向上する心と継続する心を持って、行動していくことがサービスを提供する者の大切な心構えだと思います。

人は相手を大切に思うからこそ、有言実行で約束を守ることに拘り、万が一の時には迅速なお詫びと誠心誠意の対応をするのです。

「絶対にトラブルを防ぐ」その強い意志で日頃からひと手間かけた準備をして、みんなの笑顔をつくっていきたいですね。

今日もよりみんなの役に立てるよう、全力で感じて動いていきましょう。

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